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SegWit、SegWit2x、BIP91、UASF、、話題に出てくるビットコイン用語をわかりやすく解説します!


出典:DWGLOGO:Bitcoin logo

いま様々な場面で耳にするビットコインですが、実際の仕組みや動向について詳しく理解している人はそれほど多くないでしょう。そもそも知らない用語を検索しても、ビットコインの概念自体に馴染みが無い人にとっては、その説明に使われている言葉も聞いたことのないものばかりで、結局よくわからない、という方が多いはずです。

この記事では、最近のビットコイン業界の動向について、用語の解説を交えながらおおざっぱに説明します。

今回の記事で参考にしたサイト(bitFlyerのサイトは特に分かりやすいです)
» 仮想通貨ビットコイン(Bitcoin)の購入/販売所/取引所【bitFlyer】
» 今ビットコインに起こってること
» ビットコイン研究所ブログ
» SegWit2xに残る課題 BIP91は有効化されたがハードフォークは

記事の内容

  1. スケーラビリティ問題
  2. BIPについて
  3. ソフトフォークとハードフォーク
  4. SegWit
  5. 反対派(2Mハードフォーク)
  6. UASF
  7. SegWit2x
  8. 7月27日現在の様子

1 スケーラビリティ問題

SegWit、SegWit2x、BIP91、UASF、これらの用語はすべてビットコインのスケーラビリティ問題に関係するものです。

ビットコインは2016年末から値上がりが始まり、2017年に入って一気に取引量が増えました。ここで生まれたのが 「スケーラビリティ問題」 です。

ビットコインはその取引内容が「ブロック」に入っていて、ブロックがいくつもつながれた 「ブロックチェーン」 という仕組みで管理されています。

しかし一つのブロックに入るデータの容量は決まっているため、最近の取引量増加にともない、「処理速度の低下」「ビットコイン送受信の詰まり」といった事態が発生しています。これが、スケーラビリティ問題です。

この問題を解決するために様々な議論が行われていて、その中で出てくるのがSegWitなどの用語です。

次に、今回のスケーラビリティ問題に限らず、ビットコインの仕組みに問題が起きた場合、どのような対策がされるのかを見ていきます。

2 BIPについて

ここで、BIP という言葉が出てきます。
BIPとは「Bitcoin Improvement Proposals」の略で、ビットコイン技術を議論する為に作成、公開されている文章群です。

BIP100,BIP91,BIP148など、後ろに数字がついていて、例えばBIP100とはビットコインのブロックサイズの上限を緩和する提案です。

そして、今回のスケーラビリティ問題の解決のために作成されたのが、BIP148とBIP91の二つです。それぞれの内容の説明の前にビットコインの 「フォーク」 について説明します。

3 ソフトフォークとハードフォーク

「フォーク」とはビットコインの「分岐」のことです。先ほど説明した「ブロック」をつなげていく「ブロックチェーン」の仕組みの中で、通常一つのブロックに一つのブロックがつながっていくのに対し、「分岐」は複数のブロックが同じブロックのあとに加えられるときに発生します。悪意があって分岐が起きる場合もありますが、今回はビットコインの仕組みを変更するためにフォークが行われる、という捉え方で大丈夫です。

分岐の種類として ソフトフォークハードフォーク の二つがあります。

ソフトフォークについて調べると、

“ソフトフォークとは、ブロックチェーンのプロトコルに規定された検証規則をより厳密なものに変更することによって発生するブロックチェーンの分岐のことです。ソフトフォークの際には、新しい検証規則に則って作成されるブロックおよびトランザクションは、古い検証規則を利用する検証ノードも含めて、すべてのノードにおいて有効とみなされます。したがって過半数の採掘者および検証ノードが新しい検証規則を採用する前提に立つならば、恒久的な分岐を生じる可能性はほとんどなく、いずれ新しい検証規則のブランチへと収束します。”
» ビットコイン(Bitcoin)用語集 ソフトフォーク

というなんだか難しい説明がありますが、重要なのは 「恒久的な分岐を生じる可能性はほとんどない」 ということです。恒久的な分岐というのは、仮想通貨の1つであるビットコインが、今のビットコインともう1つ別の仮想通貨とに分裂することを指します。

そして、この「恒久的な分岐」が生じるのが、ハードフォークです。

“ハードフォークは、ブロックチェーンのプロトコルに規定された検証規則を緩和することによって発生するブロックチェーンの分岐のことです。ハードフォークの際には、新しい検証規則を採用しないノードは、新しい検証規則に則って作成されたブロックおよびトランザクションを無効として却下する可能性があります。これにより、新しい検証規則を採用するノードと、採用しないノードとの間で、ブロックチェーンの最も長い有効な枝の判断に不一致が生じ、恒久的な分岐を生じる可能性があります。”
» ビットコイン(Bitcoin)用語集 ハードフォーク

という説明がありますが、変更の手段として、「ソフトフォークは通貨が分裂しない」「ハードフォークは通貨が分裂」する、という捉え方で大丈夫です。

ソフトフォークとハードフォークの説明をしたところで、いよいよ今回の問題に戻ります。
さて、論点はスケーラビリティ問題の解決法ということですが、まず初めに提案されたのが 「SegWit」 です。

4 SegWit

SegWitは「Segregated Witness」の略で、BIP141で提案されました。(先ほど挙げたBIP148は後で出てきます)

“Segregated Witnessは、署名の分離と訳され、ブロックの中の情報から、普通のクライアントはつかわない電子署名の情報をカットします。それによって、ブロックにふくまれる情報を25%まで圧縮できるというものです。これによって、ハードリミットの変更なく、理論的なブロックサイズが増えます。”
» ビットコイン(Bitcoin)用語集 SegWit

つまり、ブロックそのものに変更は加えず、取引情報を圧縮することでスケーラビリティ問題を解決する、という方法です。これはソフトフォークで、通貨の分裂を招きません。


出典:Coin Board:SegWitって?UASFとは?BIP-148…?「ビットコイン分裂問題」関連の用語を解説

しかし、これに反対する人たちがいます。それが「ビットコイン・アンリミテッド派」です。

5 反対派(2Mハードフォーク)

今主流であるビットコイン(BTC)を分裂させないようにする「ビットコイン・コア派」に対し、ビットコイン・アンリミテッド(BTU)とに分裂させてそれを主流にしようとする人たち(アンリミテッド派)がいます。

彼らは、今回のスケーラビリティ問題の解決方法として、ブロックそのものを変更して容量を増やそうとしています。( 「2Mハードフォーク」 と言います)
分裂させようとしているので、ハードフォークに賛成ということになりますね。彼らの多くは中国の マイナー(採掘者) です。


出典:Linked in:Top 5 bitcoin mining company

ここで、マイナーの説明をしておきます。ビットコインは取引情報が入ったブロックをつないでいくことで情報が管理される「ブロックチェーン」という技術を使っていますが、この「ブロックをつなぐ」作業をしているのが「マイナー(採掘者)」です。マイナーは膨大な計算をしてブロックをつなぎ、その対価としてビットコインを得ます。このマイナーの存在がブロックチェーンを成り立たせているわけですが、マイナーの半分以上が中国にいます。

BIP9の規定によれば、最新のブロックから遡った過去 2016 ブロック分のうち 95% (1916 ブロック) 以上においてマイナーがソフトフォークに賛成することを表明することによって、ソフトフォークは発動します。

つまりマイナーたちの賛同がないとなかなか実装できません。

この反対勢力に対し、ビットコイン・コア派が「もうSegWitを実装してしまおう」と言ってマイナーたちの賛同無しにソフトフォークを始めようとしました。それが UASF です。

6 UASF

UASFは「User Activated Soft-Fork」の略です。これは、BIP148で提案されたSegWitの実装方法(デプロイメント方法、アクティベート方法)です。

“BIP148のUASFでは、2017年8月1日から 2017年11月15日の間、SegWit を採用しないブロックを拒否するよう、クライアントを変更します。
UASF の意図は、BIP 148 を実装したクライアントを利用するユーザ (ここでは検証ノードを想定しています) が多数を占めた場合、前述の期間中に採掘報酬を含むブロックが多数のユーザに拒否されないようにするため、マイナーも SegWit を採用するように移行を進めるはずだとの期待にあります。”
» ビットコイン(Bitcoin)用語集 UASF

つまりSegWitを実装してしまえばユーザーの多数はSegWit派になり、そうすればマイナーも従わざるを得ない、ということです。
「2017年8月1日にSegWitにアクティベートされる」というニュースはUASFのことです。

しかし、これでは反対派も黙ってみているわけにもいかず、違う案が生まれます。それが、 「SegWit2x」 です。

7 SegWit2x

SegWit2xはBIP91で提案された方法で、簡単に言えば、「まずSegWitを実装し、3か月後にハードフォークを実施する」というものです。
また、BIP148(UASF)では「8月1日の時点からSegWitを実装していないブロックを拒否する」というものでしたが、BIP91ではこの「拒否する」タイミングが日付で決まっているのではなく、ある程度SegWit派が多数になった後です。

そして、このBIP91を8月1日より前にアクティベートする、というのがSegWit2x派の考えでした。
実際にどうなっているかを最後に見ていきます。

8 7月27日現在での様子

7月21日にBIP91がロックインされました。
ロックインとは、SegWitの導入が確定することで、法律で言うと「成立」ということになります。「施行」はそのあと2016ブロックを挟みアクティベートされ、SegWit形式の取引が実際にビットコイン上で利用できるようになります。

順調にいけば8月中にSegWitがアクティベートされ、3か月以内に2Mハードフォークがアクティベートされる予定です。

ただ、

  • ハードフォークによって市場が混乱し、ビットコインの信頼が失われる可能性がある
  • ハードフォークによってビットコインの特徵「信頼できる第三者を必要としないシステム」が失われる

など、懸念は多いままです。注意深く見ていきましょう!

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Sora Nakahara

2017年7月27日

コラム

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